4 - 動詞の変化

4.1 動作主による変化
4.2 時制による変化
4.3 変化の例
4.4 コラム「動詞は重要」



4.1 動作主による変化

ドニ語の動詞は動作主(その動詞が示す動作をする人・物)によって変化します。具体的には、動作主の人称と数によって接尾辞が変わるのです。このような変化は日本語には全く見られず、英語には「三単現のs」として名残があるばかりですが、西欧諸国の言語にはよく見られるものです。(Fig.4-1)

動作主による接尾辞の変化
(Fig.4-1) 動作主による接尾辞の変化



4.2 時制による変化

ドニ語の動詞は時制(動作が行われた時)によって変化します。具体的には、過去・現在・未来形とそれの進行形(過去進行・現在進行・未来進行)、完了形(過去完了・現在完了・未来完了)、完了進行形(過去完了進行・現在完了進行・未来完了進行)の12種類の接頭辞があるのです。数が多いので複雑に見えますが、基本的な形の組み合わせですので、それ程難しくはありません。(Fig.4-2)

時制による接頭辞の変化
(Fig.4-2) 時制による接頭辞の変化



4.3 変化の例

では、実際に変化させてみましょう。今回は「食べる」という意味の動詞を変化させてみます。

例) 動作主による変化
rEs私は食べる。

rEsemあなたは食べる。

rEsen彼/彼女/それは食べる。

rEset私たちは食べる。

rEstEあなたたちは食べる。

rEsEt彼ら/彼女ら/それらは食べる。


例) 時制による変化
rEs私は食べる。

KorEs私は食べた。

borEs私は食べるだろう。

KolrEs私は食べ終わっていた。

lerEs私は食べ終わった。

bolrEs私は食べ終わっているだろう。

KoDorEs私は食べていた。

DorEs私は食べている。

boDorEs私は食べているだろう。

koDolrEs私は食べていた。

DolrEs私は食べていた。

boDolrEs私は食べていただろう。



4.4 コラム「動詞は重要」

この講座の冒頭から「英語に近い」と申し上げておりますが、「動詞が重要」という点に関してもドニ語は英語と同じであります。現に動詞の変化は名詞の変化よりも複雑でありまして、名詞を省略する事はあっても動詞を省略する事は極めて希です。どうして「動詞が重要」なのでしょうか。それは恐らく文型が関係しているのだと思われます。ドニ語の基本的な文型は英語と同じSVC(主語→述語→補語)という順番になっていますので、中心に位置している述語(動詞)を省略すると文として成り立ちません。一方、日本語の文型はSCV(主語→補語→述語)という順番になっていますので、文末の述語は容易に省略出来ます。極端な話をすれば、補語だけで会話が成り立ってしまう場合もあります。そう言うわけで、ドニ語では「動詞は重要」なのです。